「疲れてる」って自分でもよく言うし、人がよく言っているのも聞きます。
でもこのほとんどの場合、筋肉痛とかで実際に体が疲れていることはほとんどありません。
実際は脳が作り出した疲れだったんです。
すべての疲労は脳が原因 (集英社新書 829I) 梶本 修身 集英社 2016-04-15
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読んで感じたこと
疲れって体のいろんなところで生まれていて、それぞれに作用が違うから複雑なのかと思ったら、脳の作用でひとくくりにできるというのはおどろきでした。
読書メモ
- 疲労の原因はエネルギーの枯渇ではなく、脳の自律神経中枢が酸化ストレスにさらされることによって起こる
- 著者は産官学連携の抗疲労プロジェクトのリーダー
- 疲労とは、痛みや発熱と並んで人間の生体アラームのひとつ
疲労と疲労感は別もの
- 疲労は自律神経中枢。特に視床下部と前帯状回
- 疲労感は大脳の前頭葉にある眼窩前頭野
脳疲労の3大サイン
- 飽きる
- 疲れる
- 眠くなる
- 疲労を意思の力で無視するのは、アラームを無視すること
- 自律神経中枢は心拍数、血圧や体温調節、消化吸収をコントールして24時間ずっと働いているため、無理をすると疲れてしまう
- 疲労を運動や酒でマスクしてはいけない
- 乳酸は疲労物質ではなく、真の原因は活性酸素
- 疲れる(脳内の神経細胞などが活性酸素で酸化される)と、細胞内から老廃物が排出される。それがシグナルとなって、血液中などに疲労因子FFが増加する。
- FFが増えると、疲労回復因子FRが増える。これは日常の疲れは回復できるが、疲労が一気に蓄積される場合にはあまりはたらかない。
- 睡眠や加老でFRの反応性が変わり、これが疲れからの回復の違いにつながっている
疲労回復効果のある食事成分①イミダペプチド
- 抗酸化作用で疲労回復させる
- ヒスチジンとβアラニンを原料に、必要な場所で合成される。
- 鶏ムネ肉、マグロやカツオにたくさんある
- 鶏ムネ肉を1日100g、2週間で効果がある
疲労回復効果のある食事成分②クエン酸
- クエン酸回路を活性化してエネルギー産生させる
- 激しい運動時に効果的
- 1日レモン2個、黒酢大さじ1、梅干し2個が目安
環境
- 自然が作り出す「ゆらぎ」には疲労回復効果がある
- ゆっくりとした変化
- 緑青の香り。新茶の葉や芝を刈ったときの香り
- 疲労に強い脳を作るにはワーキングメモリを鍛える
まとめ
わたしはこの本を読んで、いままでよく食べていた鶏ハムに加えて、クエン酸を取り入れるために黒酢を飲みはじめることにしました。
いつも疲れを感じている人はぜひ読んでみてください。
自分の疲れがどんなものかわかるとともに、疲れを取るヒントが得られますよ。
すべての疲労は脳が原因 (集英社新書 829I) 梶本 修身 集英社 2016-04-15
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