kvit cigaretterne – Quit smoking Photo by Sir. Jensen
例えばタバコをやめることのように、やめたいと思っていてもなかなかやめられないことはありませんか?
やめられないのは自分の意志力が弱いからだと思ったことはありませんか?
人間の意志力は弱いものなのです。ただその特徴を知っていれば挫折する機会をグッと減らす事ができます。また、意志力は鍛えることもできるのです。
超有名大学の人気講座
今回の内容はこちらの本から。
この本は、世界大学ランキングで2位になったスタンフォード大学で行われた、心理学者ケリー・マクゴニガルによる生涯教育プログラムの公開講座「意思力の科学」の10週の講義を10章にまとめたもの。
講義では人間の意志力はなぜ弱いものなのか、どうすれば鍛えられるのかを最新の研究結果を元に解説しています。
この講義はスタンフォード大学の最も大きな講義室がいっぱいになるほど人気のある講義。しかもその効果は、以下の通り驚異的なもの。
講義が始まって4週間後のアンケート調査で、なんと97パーセントの受講生が、自分自身の行動を以前よりもよく理解できるようになったと感じ、84パーセントの受講生が、授業で学んだ方法のおかげで以前よりも意志力が強くなったと回答した
読んでいて面白いのはもちろんですが、各章に配置されているワークを通して、自分自身の意志力を試して鍛えることができるのでここまで人気があるのでしょう。
今回はこの本の中から、人間の意思力がなぜもろくも崩れ去ってしまうのか、そしてそれをどうすれば防げるのかを紹介します。
意思力は、血糖値が減り始めると節約される
意思力は有限で、朝起きた時に1番豊富だったものが徐々に目減りしていき、最終的には使い果たされる、ということは聞いたことがありました。
この本では、意思力と血糖値との関係が述べられています。
血糖値が減少し始めると、意思力が節約される
意思力を使うには多量の血糖が必要です。そこで血糖が減少しそうだと脳が判断した時は、生存を優先させて意思力が働かないように進化してきたというのです。
よいことをした気になるとごほうびをあげたくなる
もうひとつ驚きだったのが「モラル・ライセンシング」という考え方。
これは、
「よいことをする、あるいはよいことをした気になると、その後で衝動に従ってもいいと思ってしまう」
こと。
例えばダイエットをしていて、お昼ご飯をコンビニで買うとします。
ダイエットをしているのでヘルシーなサラダパスタを食べることにしました。ここでよいことをした気になり、デザートにシュークリームを買ってしまう。
笑い話ではありません。少し誇張しているかもしれませんが、誰にでも起こりうることです。
モラル・ライセンシングが恐ろしいのは、よいことを実際に行わなくても考えるだけでも発動してしまうこと。
最初の例で言えば、サラダパスタを頼んだ気になっただけでも、こほうびのシュークリームを買ってしまうということになります。
ここまで2つ紹介しましたが、この本では他にも人間の意思力というものが、いかに簡単にくじけてしまうかがたくさん掲載されています。
- ドーパミン報酬系は「報酬がもらえそうな予感」に発動する
- 脳が将来もらえる報酬に対応していない
- 意志力は感染する
- 「禁止」してはいけない
では意思力を保ち、働かせ続けることはできないのでしょうか?
意思力を強める方法
この本には、なぜ人間が意志力に挫折するのか理由をリストアップするとともに、意志力を鍛えるための方法も書かれています。
ここではそのうち2つを見てみましょう。
誘惑に負ける瞬間を観察する。
これはまずは簡単。自分が誘惑に負ける瞬間をじっくり観察するというもの。
どんな気分になるか、心拍数や興奮状態はどうか、など細かく観察します。
次に、この瞬間を10分間に伸ばすことを練習します。この状態に耐えて元に戻ることができれば、意思力を再び働かせる可能性が大きく高まります。
瞑想をする
瞑想を行うようになると、脳が瞑想に慣れるだけでなく、注意力、集中力、ストレス管理、衝動の抑制、自己認識といった自己コントロールの様々なスキルが向上します。
それに加えて意志力を司る脳の前頭前皮質や自己認識で働く灰白質が増加することも知られています。
他にもこの本では以下のようなことが紹介されています。
- 呼吸を遅らせる
- 血糖値を(少しでいいので上げる)
- しっかり睡眠をとる
- ストレスから解放される
- 運動する
- 強力な望む力を持つ
やめたいことがやめられなかったり、やりたいことが続けられない経験がある人にはぜひ読んでもらいたい本です。おすすめ!
以上、よっしー(@yosshi7777)でした。
明日も「ココロ」動く1日を!