川村元気さんを知っていますか?
映画「電車男」「告白」「悪人」「モテキ」「バクマン。」などの大ヒット映画を製作。
小説を書いてみれば、「世界から猫が消えたなら」が100万部を突破して映画化もされる。2作目の「億男」も大ヒット。
今回紹介する本は、そんな文系の頂点を極めたとも言える川村さんによる、理系の頂点を極めた人たちへのインタビューをまとめたもの。
理系に学ぶ。 川村 元気 ダイヤモンド社 2016-04-22
|
もくじ [hide]
インタビューされる人も、スゴい
川村さんだけじゃなくて、インタビューを受ける人がまたスゴい。
- ドワンゴ社長の川上量生さん
- 「ピタゴラスイッチ」を作った佐藤雅彦さん
- 任天堂の宮本茂さん
- ロボットクリエイターの高橋智隆さん
- 宇宙飛行士の若田光一さん
- MIT メディアラボ所長の伊藤穣一さん
など本当に超豪華。
インタビューを終えて、川村さんが、「理系と文系は同じ山を違う道から登っているだけ」と語るまえがきは必見です。
読書メモ
- 自然界の動物には主体性がないのに、人間だけにあるわけがない。(川上量生)
- 感性とか信念みたいなことを軽々しく言いたくない。最後は感性で探り当てるしかないんですが、そういった言葉ですぐ片づけるのは、傲慢な気がします。(佐藤雅彦)
- 何でもまず要素に還元して、どういう要素でそれが成立しているのかをいつも考えている(佐藤雅彦)
- 技術の人たちは現実を見ていてどう実現させるかのスペシャリスト。その人たちを新しいゾーンに連れていくのはアートやストーリーの人たち。(宮本茂)
- 人の感情を動かすのは、映像よりも音。(川村元気)
- 「乳酸菌が腸の中で頑張っている」という英語は存在しないんですよ。欧米人にとって菌はばっちいもので、基本的に悪いものなんです?だから、欧米では菌をやっつける抗生物質の学問はすごく進んでいます。一方で、日本は菌を活かす文化があって、乳酸菌だけでなく納豆菌、日本酒や味噌など、発酵食品な身体にいいとされてきた。ミドリムシの培養は、そういう意味でも日本人にしかできないんです。(出雲充)
- 臨床で関わることのできる患者は最大でも90万人程度。一方研究では、iPS細胞やインスリンなど、人類に貢献できる治療法や薬物を見つけて実用化すれば何十億もの人の役に立つ。医学の絶対的な醍醐味は研究にある。(天野篤)
- 数字に強い人というのは、数字が的確に読めるとか、数字をあるがままに受け入れられるとかだけでなく、数字から人間の次の行動を抽出できる人でもある。(西内啓)
- 僕も最近、「優柔不断」をテーマに生きています。やわらかいということが、すごく大事な時代だと思うんです。固くなった瞬間に、逆にいろいろな判断を誤る。(舛田淳)
- 答えがわかっていたら発見がないのにね。旅をしているときに気がつくみたいなことがほとんどじゃない?(伊藤穣一)
- 理系と文系は同じ山を違う道から登っているだけ。人間にとって「幸せとは何か?」「美しいものとは何か?」を、理系はサイエンスやエンジニアリングを通して、文系はストーリア後として追求している。(伊藤穣一)
まとめ
わたしは理系の大学院を卒業しているのですが、この本を読んで自分が本当は文系だったことがわかりました。
理系の人は、直感でないとどうしようもないところまでは理詰めで論理を組み立てていきます。
自分の根本は直感が決めているという点では完全に文系だと。
文系の人には理系の人の頭の中がどうなっているか、理系の人には文系の人が理系のことをどう思っているかが理解できます。
ぜひ読んでみてください!
理系に学ぶ。 川村 元気 ダイヤモンド社 2016-04-22
|