今回紹介する本は、脳はなぜ「心」を作ったのか。
実はわたしたちの意識は、無意識がやったことを見て自分がやったことだと錯覚しているだけかもしれないんです。
わたしは単行本を読みましたが、文庫版が出ているようです。
脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫) 前野 隆司 筑摩書房 2010-11-12
|
脳の地動説
無意識は見たものを処理したり、聞いたことを処理したり、同時にたくさんの情報処理をしています。
まるで脳の中に小びとがたくさんいるようなものです。
これまでは、これら小びとが処理したものをまとめるために「意識」があると考えられてきました。
意識を中心とした「脳の天動説」です。
これに対してこの本では「脳の地動説」として、世界を認識するには無意識だけで十分で、意識はその下流でごく一部の機能を担当しているだけだと言います。
意識は、小びとたちがやったことを自分がやったことのように認識して、鮮明に記憶しておくために生まれたものなのです。
意識が中心にないというのは、確かに発想の大転換。
まとめ
実験で証明されたものではないですが、これまで分かってきたことをベースにかなり大胆な仮説を立てています。
これが正しいかどうかはこの先の研究が進むのを待つしかありませんが、この考えを知っておくだけでも世界のとらえ方が変わってきます。
自分とはなにか、心はどんなものか気になる人にはぜひ読んでください。
脳はなぜ「心」を作ったのか「私」の謎を解く受動意識仮説 (ちくま文庫) 前野 隆司 筑摩書房 2010-11-12
|