脳に匹敵する神経系を持っていたり、肥満や病気の発生に腸内細菌が深く関わっていることが分かってきて、これまで以上に胃腸のはたらきに注目が集まっています。
今回紹介する本は、そんな胃腸についてさまざまな観点からわかりやすく説明してくれます。
おしゃべりな腸 ジュリア・エンダース サンマーク出版 2015-05-25
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読んで感じたこと
わたしたちはみんな違った遺伝子を持っていますが、実はわたしたちの個性は遺伝子ではなく、腸内細菌が決めているのかもしれません。
読書メモ
- 脂肪は小腸で吸収後、リンパを通って心臓と全身に流れる。肝臓を通るのはその後なので、解毒が遅れる。トランス脂肪酸が問題なのはこのせい?
- 小腸にはペースメーカー細胞があり、微弱な電流を流すことにより蠕動運動をコントールしている
- お腹がグーグー鳴る音は、胃の中に最後に残ったものを小腸に送り出すときの音
- 赤ちゃんは出産の時に母親の膣内細菌に感染して、それが増殖して赤ちゃんの腸内フローラになる
- 腸内フローラは生まれてから3年間で整う。特に産後数週間が免疫システムの構築に重要
- 腸内細菌の割合の偏りにより、腸は3つのタイプ(エンテロタイプ)に分けられる
- 肥満になりやすい。肉や脂肪が大好き
- 菜食主義者の腸に多い
- 血液のヘムを作る
- 舌にいる細菌が食べ物の味を変え、それが後味になる。だから人によって後味は違う
- ピロリ菌は胃がんの発生に関与しているが、同時に制御性T細胞を介して免疫システムの安定に関わっている
- 猫の糞にいるトキソプラズマの感染により、セロトニン欠乏になってうつ病や統合失調症になる可能性がある
- イヌリンはプレバイオティクスの一種で、長さにより大腸のどこで善玉菌に食べられるのかが違う。
まとめ
わかりやすいたとえ話が多くて、予備知識がなくても理解しながら読むことができる本です。
腸のこと、腸内細菌のことをイチから知りたい人にはオススメです。
おしゃべりな腸 ジュリア・エンダース サンマーク出版 2015-05-25
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